トム・ハンクス主演で数々の賞をノミネートされたキャプテン・フィリップスを鑑賞したのでつらつらと
あらすじは映画.comから引用
2009年にソマリア海域で起こった海賊船による貨物船人質事件を、トム・ハンクス主演、「ボーン・アルティメイタム」「ユナイテッド93」のポール・グリーングラス監督で映画化したサスペンスドラマ。09年4月、援助物資として5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号は、ソマリア海域で海賊に襲われ、瞬く間に占拠されてしまう。53歳のベテラン船長リチャード・フィリップスは、20人の乗組員を解放することと引き換えに自ら拘束され、たった1人でソマリア人の海賊と命がけの駆け引きを始める。米海軍特殊部隊の救出作戦とともに、緊迫した4日間を描く。脚本は「ニュースの天才」「アメリカを売った男」のビリー・レイ。
点数 83/100
実際にあったマースク・アラバマ号乗っ取り事件でソマリア海賊に人質にされたフィリップス船長の伝記映画です
終始、指先がピリピリするような緊張感がずっと続くので、見終わってどっと疲れが出てきました。映画の作りとして、ずっとフィリップス船長に焦点を向けて撮られているので、まるで自分がフィリップス船長で人質にされているかのような緊張感が、映像からひしひしと伝わってきます
映像もずっと船の上にいるかのようなカメラが安定しない意図的に揺れる映像を見せられるため、後半ちょっと酔った感じもあったりしましたが、それが緊張感とか臨場感を生んでいました。
序盤から海賊側のなりゆきを見せていて、ただの海賊をしている若者ではないということがわかる作りも、結局は悪役であることには変わらないのだけれども出てくる人間それぞれにあるドラマが反映されていて、とてもいいなと感じました
貨物船で海賊側と立場が逆転した時はここで終わってしまうわけはないだろうけど、どうなってしまうのだろうって思ったあとの展開にはびっくりさせられました
後半の海賊側のリーダーであるムセに海賊側の心境を語らせる作りもすごくよかったです
また、舞台も前半の貨物船と、後半の救命艇という限られた中でここまでのドラマや様々な出来事が起こるのは感心しました
特に救命艇のシーンはあれだけ狭い中で海賊同士のイライラ感がひしひし伝わってきました
終盤、今までなっていた音楽が狙撃した瞬間にピタッっと止まりそこにフィリップス船長の声だけが船内に響く演出はすごくよかった
そのあと救助されて見ているこっちも今までの緊張の糸がプツリと切れたはずなのに、まだあの興奮さめやらぬ落ち着けない描写、そして看護師との会話の中でこの血は誰のものですかときいたあとのフィリップス船長の涙
とても感極まるものがありました
もとはといえば、漁師だったムセたちが海賊にならざるを得なかったきっかけも外国船が乱獲してしまったということだし、漁師が人を襲わなくてもいいという質問に対し、ムセが言い放つ、「アメリカならな…アメリカなら。」っていうセリフがとても印象的でした
主人公のトム・ハンクスは言わずもがなの名優ですが、今回の役柄でひげを生やしていたのは新鮮で、なんかいいおっちゃんになったなあって感じました
ソマリア海賊側の俳優陣はほぼ無名でしたが、存在感やあのひょろっとした痩せこけた身体と、鋭い目つきには終始ビクビクさせられました
終盤の15分のシーンを見るだけでも価値がありますし、言い方として語弊だらけですが、映画を通して感じられる緊張感とそのあとにどっとくる疲労感を味わうたぜひおすすめ出来る作品でした
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