デヴィッド・クローネンバーグ監督作ヴィデオドロームを鑑賞したのでつらつらと
解説は映画.comから引用
「スキャナーズ」の鬼才デビッド・クローネンバーグが、殺人ビデオによって狂気の世界へと引きずりこまれていく男の姿を衝撃的な映像で描いたSFホラー。地方テレビ局の社長マックスは、拷問や殺人が繰り返される禁断のテレビ番組「ビデオドローム」の存在を知る。恋人と共にビデオドロームにのめりこんでいったマックスは、残虐な映像を見続けるうちに幻覚を見るようになり……。主演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のジェームズ・ウッズ。カルトムービーとして、今なお熱狂的な支持を集めている
Videodrome - HQ Trailer 2010 - YouTube
点数 75/100
まず言いたいのは、ヴィデオドロームなのかビデオドロームなのかはっきりさせて欲しいところですかね。そんなことはどうでもよくて
クローネンバーグ監督の考えてることがまあわからないぐらい頭のなかがグルングルンしてくる映画でした。
中盤以降からのヴィデオドロームという腫瘍なのかなんなのかわからない概念と、これは現実なのか、それともヴィデオドロームが見せている幻覚なのか、わからなくなる気持ち悪さが凄く心地よかったです。
幻覚は序盤は、ぶったのにぶっていなかったりで、あれ?みたいな感じだったものが、テレビやビデオデッキが生きているようにぐにゃぐにゃ動いたり、お腹に割れ目(どうみてもオメコ)ができて、その中に拳銃やビデオをいれるようになっていき、この世のものとは思えなくなってしまう感じはすごくよかったです。
まあなんといっても、このどう見ても頭おかしいシーンを生々しく映像化できたのは特殊効果のリック・ベイカーのおかげでしょう
81年の狼男アメリカンでも凄まじい特殊効果でしたが、今回も鉄男を連想させるような、右腕と銃の一体化であったり、リングに影響を与えているテレビの中から腕が出てくるシーンなど、いま見ても気持ち悪くてしかたがないような、これどうやって撮ったの?シーンが盛り沢山です。
公開が82年ということもあり、VHSとベータの全盛期で、今作ではベータがたくさん出てきますが、ビデオをテーマにしたところも、これから来るであろう(実際きた)ビデオの時代にうまく相まって気持ち悪さを醸しだしてました。
日本のAVのサムライドリームは絶対に流行らないと思いました。
ストーリーはどれが現実かわかんなくなっちゃいますが、「考えるんじゃない、感じるんだ」っていう言葉がピッタリだったかな。
とにかく後味の悪さであったり、特殊メイクであったり、その当時からクローネンバーグが伝えたかったであろうメディアの危険性であったり、様々な要素が詰まったこの映画、なかなか楽しめました。
後半の「ヴィデオドロームに死を」のあたりからテンポが悪くなってしまったのは残念だったかな。
この映画はビデオでみたかったなあ。テープが擦り切れるようなあの映像で見たかった。劇場で見たいっていう作品は数多くあるけれども、ビデオで見たいと思うのは初めての感覚。
メディアの嘘がバレ始めている今日にもつながるようなテーマのヴィデオドロームは時代を先取りしてたんだと思いました。興行収入悪くてもカルト化するのも納得。
ではでは