ブライアン・デ・パルマ監督のボディ・ダブルを鑑賞したのでつらつらと
解説は映画.comから引用
俳優のジェイクはしばらく旅に出ることになったサムの部屋の留守番を請け負う。そこの望遠鏡で向かいに暮らす美女グロリアの部屋を覗き見してしまうジェイク。彼はグロリアを尾行し、その後、ふたりは結ばれることに。しかしグロリアが電気ドリルで惨殺されるという事件が。やがてジェイクは自分が罠にハメられたことに気づく……。ヒッチコック調の設定に加え、官能的なシーンを盛り込んだデ・パルマ監督お得意のサスペンス・スリラー。
Body Double (1984) - Official Trailer [SD] - YouTube
点数 50/100
1984年公開のブライアン・デ・パルマ監督作品です。
この前にスカーフェイスやミッドナイト・クロス。この後にアンタッチャブルをとっているだけに期待してみたのですが、結果から言うとダメダメでした。
初期のデ・パルマ作品にありがちなアルフレッド・ヒッチコック監督オマージュ作である今作品は、めまいと裏窓に影響を受けています。他人の生活を覗き見しそれが事件へつながり、目撃者として犯人に利用されたという展開はいいのですが、その他のストーリーがグッチャグチャで見てらんない。
あったばかりの人が豪華な家に留守番とはいえ代わりに住ませてくれるっていうのも変な話だし、覗き見ていた相手のグロリア(デボラ・シェルトン)をストーカーする主人公ジェイク(クレイグ・ワッソン)のまあ言い逃れできない変態なこと。表向きはストーカーをストーカーしてたって言ってるけど結局ストーカーしていたことには変わらないし、下着の試着をしているグロリアを覗き見たり、捨てられたグロリアのパンツをこっそりポッケにしまったり。グロリアが殺されたあとも、ポルノビデオ見てたらグロリアの家にいた女だと気づき、会うためにわざわざ汁男優オーディションに参加したり。この主人公ダメだ。
めまいが高所恐怖症の主人公だったのに対し、今作の主人公ジェイクは閉所恐怖症。中盤のひったくり犯を追いかける場面で閉所恐怖症を活かした演出になるけれど、それいるか?という程度。
そのあとに大して仲も良くなっていないはずなのにグロリアと熱い抱擁とキス。そこでお得意のカメラぐるぐるをするんだけれどもなんとも安っぽいんだよなあ。
そのあとのRelax!が流れるポルノ映画シーンでも同じような演出があってすげえ安売りしてんなあと。凄く萎えた。
Frankie goes to hollywood Relax (Body Double) - YouTube
結末も犯人は実はグロリアの夫で留守番を頼んだサムだったっていう展開もありがちだし、あっけなく犬とともに貯水池へダイブするのもなんだかな。あの犯人の顔つきとか、フレディとレザーフェイスを足して2で割ったみたいな感じだよね。
音楽ものぞきしているシーンとか、いくらセクシーだからってあんな陽気な音楽ダメでしょ。もっとシリアスで罪悪感もたせた音楽にしなきゃ。
あと、安易にエロ要素を入れすぎて、もともとB級な映画が得意なデ・パルマなのにそれすらできていない感じがしたのはすごく残念だったな。EDの胸のショットでそこに首筋からであろう血が滴り落ちる映画の一コマは好きだったけど。
もちろん良かった点もあって、そんななかでも印象的なのはグロリアの殺されかた。電気ドリルで腹を貫かれて、1階にいるジェイクは天井から突き抜けたドリルとそこから滴り落ちる血を確認するってのはすげえいいよね。その前の電気ドリルのコードが足らなくて電源落ちちゃうのはプラネット・テラーで同じようなのがあったな。
そんなこんなであれだけ脂ののりまくってた時期があったデ・パルマなのにこんな作品作っちゃったせいでそりゃラジー賞ノミネートもするわというような作品でした。
裏窓大好きです。
めまいの感想はこちら。
ではでは