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東京物語(ネタバレあり)

小津安二郎監督作である東京物語を鑑賞したのでつらつらと

解説は映画.comから引用

「お茶漬の味」以来一年ぶりの小津安二郎監督作品で、脚本は小津安二郎と「落葉日記」の野田高梧の協同執筆、撮影も常に同監督とコンビをなす厚田雄春(陽気な天使)、音楽は斎藤高順。出演者は「白魚」の原節子、「君の名は」の笠智衆、「明日はどっちだ」の香川京子、「蟹工船」の山村聡、「雁(1953)」の三宅邦子、「残波岬の決闘」の安部徹、「きんぴら先生とお嬢さん」の大坂志郎などの他、東山千栄子杉村春子中村伸郎東野英治郎等新劇人が出演している。 

東京物語 : 作品情報 - 映画.com

 


小津安二郎 『東京物語』 予告編 - YouTube

 

点数 80/100

世界の映画監督が選ぶベスト映画で1位に輝いたこの作品

「映画監督が選ぶベスト映画」に小津安二郎『東京物語』!日本作品として唯一のランクイン - シネマトゥデイ

見てわかることは描写がすごく丁寧。

序盤の田舎の尾道から老夫婦が息子たちのいる東京へ来るところから話が始まりますが、夫婦に対する口調や話し方、敬語の使い方とかでこの人達はどういう関係なんだろうっていうのが説明もないのにわかってしまう作りがまずすごい。

若者が夢に憧れて東京に出てくるっていうのが普通なのに全く逆だもん。

唯一関係がわからなかった紀子(原節子)も中盤でそういう関係だったのねっていうのがピタリとパズルがはまる感覚で、それは当時だからこそできる設定だった。

また、家の中を始めとするいたるところでローアングルからカメラを固定して人物を撮る「小津調」と呼ばれる演出が光ってた。

ああいうのみると初期のバイオハザードのカメラ視点思い出す。

 

親がいる前ではそんなことは言わないのにいないとなると、とたんに冷たくなる志げ(杉村春子)や幸一(山村聰)の生々しさはみててすごく辛い。普段気にしてないけれども、これ以上のこと普段親の前でしてたんだろうなあって考えると申し訳なくて。

 

そんななかでも老夫婦、周吉(笠智衆)ととみ(東山千栄子)の安定感が半端ない。

当時1歳しか歳の変わらない杉村春子、5歳下の山村聡らの父親で15歳も年上の東山千栄子と夫婦を演じた。

笠智衆 - Wikipedia

って信じられないぐらい、落ち着いたいいおじいちゃんだと思って見てた。

また、東山さんの安定感も抜群で、序盤での子どもと土手で戯れるとみや、紀子のアパートでのとみとの会話は何気ないものの、どちらもグッとくるものがあった。

終盤まで大きな出来事は起こらないわけだけれども、それまでの家族関係や東京や熱海での満喫した生活がその後の出来事に大きく関わってくるのもよかった。ここまでこの夫婦のこと好きにさせておいてあんまりだよって思っちゃうぐらい。

唯一あのなかで血のつながってない紀子との会話はやっぱりどれも心にくるし、最後の告白もあんな事言われたらそりゃこっちだって泣くわ。ずるい。

各場面の移り変わりも大きく舞台が変わるときはその風景をとったり、前のシーンとその後のシーンでおなじ行為をしていたり。(うちわで扇ぐ・寝ている等)すごく丁寧。

また、音楽の使い方も、本当にここぞっていうところでしか使わずに、日常の会話というものを大切にしていると感じた。

 

先週のそして父になるでもそうだったように、親子関係がテーマの作品は今一人暮らしをしているのもあって、ありきたりな感想ではあるものの、親は大切にしなきゃいけないし感謝しなければって思ってしまうね。

 

そんなところで世界の監督がベストに選ぶ作品であるので日本人の私達が見ない理由がないのでお勧めです。

こんなものがyoutubeにおちてましたのでご報告までに


Viaggio a Tokyo (東京物語, Tokyo monogatari - 1953) di ...

 

 

ではでは