白石和彌監督作の凶悪を鑑賞したのでつらつらと
解説は映画.comから引用
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。
点数 78/100
いやあすっごく面白かった。
ベストセラーノンフィクションである凶悪の映画化ということも有り、フィクションも混ぜて入るもののこれが現実に起こったことだっていうことに、まず衝撃ですよね。
ストーリーの面白さ(面白いって言っていいかどうか)も然ることながら、文字通り凶悪な須藤(ピエール瀧)と先生(リリー・フランキー)の怖いこと怖いこと。
瀧さんに関しては日頃からたまむすびを始めとして様々なメディアで見ているし、リリーさんも同時期公開のそして父になるでいい父親役を演じているもんだから普段の優しい面白いおじさん2人のその変貌っぷりったらすごいものが有りました。
そして父になる(ネタバレあり) - りょーまの休日 好きなものすべて
明朝24(実際は新潮45)の記者である藤井(山田孝之)も家庭を捨ててまでこの事件の全貌を明らかにしようとするジャーナリズムにも凄く惚れました。まあ、家庭をほっぽらかして認知症の母親が妻に手をあげるのをただ見ているようなのはさすがにないと思いましたが。様々な場所で3つの殺人について取材を通していくうちに山田孝之さんの印象的なひげが武将髭になっていくさまとか凄くいいですよね。
また、現在の取材から過去の事件当時に何があったのかという回想に入る窓ガラスからのシーンも凄く自然で素敵でした。
印象的なのはやっぱり、ぶっ込むっていうセリフと、須藤の面会でいままでおとなしく、この人が本当に殺人犯なの?って思わせておきながらの怒号の嵐のシーンはすごく好きでした。瀧さん怖い。
あとはジジ・ぶぅさんの酒を飲まされるシーンとか凄くいい。エンドクレジット見るまでジジ・ぶぅさんって最初気付かなくて、そういや10年ぐらい前に猫ひろしさんの付き人してた頃に生で拝見したことがあったなあってのを思い出したぐらいですかね。
実際にはもっと優秀だったという藤井のモデルである宮本太一さんのことや、この事件についてもっと詳し知りたくなったので原作が凄く読みたくなりました。
ではでは。