ブライアン・デ・パルマ監督作品です
あらすじは映画.comから引用です
夫婦生活に不満を抱えるケイトは精神分析医エリオットのもとへ通っていた。そんな彼女が美術館で出会った男性との情事のあと、剃刀を手にした女性に惨殺される。現場に偶然居合わせたコールガールのリズは、警察から疑いの目を向けられ、街中で危険な目に遭いながらも、ケイトの息子ピーターと組んで真犯人を追うことに……。ニューヨークを舞台に繰り広げられる官能的なサイコ・サスペンス。
Dressed To Kill (1980) trailer - YouTube
点数 75/100
冒頭のシャワーシーンからまあエロい
デ・パルマはシャワーシーン大好きだよね
その理由は後述するとして
なんといっても美術館のシーンは圧巻でした
セリフが一言もないのにアンジー・ディキンソン演ずるケイトの心情をカメラワークや、音楽で表しててこちらに伝わってくるんだからすごい
あとはナンシー・アレン演ずるリズが地下鉄で尾行とチンピラから逃げるシーンも緊張感あってよかったです
本編通してすごくエロ描写が多いんだけれどもその後にサスペンス要素が突然入ってくるもんだからいい意味で振り回されておもしろい
とくに美術館で誘った男と事をしたあとに性病だという診断書を見てしまった時の絶望感みたいなものから、その後すぐにエレベーターで今まで主人公的に描かれてきたケイトが殺されちゃうんです
この話どうなってしまうの?となるわけで
また、犯人はどうも性に問題が有り、女装した男性であるらしいということもわかります
映画好きや、勘のいい方ならわかると思いますがブライアン・デ・パルマ監督が敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督作のサイコに大きな影響を受けた作品であるんです
- 主人公が物語中盤で殺されてしまう
- シャワーシーン
- 犯人が二重人格で女装している
などがあげられますかね
脂乗りまくってるデ・パルマ監督作ですから、お得意の2分割からスローモーションまで様々な演出がいたるところで目立ちます
またお得意のサスペンスですから剃刀の艶めかしさとかそれが体や首もとをするするっとなぞるように切っていく演出はさすがでした
それにしてもナンシー・アレンはミッドナイト・クロスのときもそうだったけどアバズレの役が多いなあ
すごく似合うんですけど
ナンシー・アレンがデ・パルマ監督と結婚してたと知った時はビックリでした
ケイトの息子であるピーターがいろんな発明をするけれど、やっぱりこういうアナログな機械をデ・パルマ好きだったんだろうなっていうのがひしひしと伝わってきました
気になったところをあげるとすれば、エロ、サスペンス、ミステリーなどいろんなジャンルに手を出しすぎていて、物語として軸が定まってないということ
中盤の性病の人の行方などストーリーのあらも気になります
犯人はわりと女装した男性っていうのがわかりきってるんですが、精神科医のロバートに電話がかかってくるおねえ口調からしてなんとなくわかってしまい、最後のかつらがとれた時”男だったのか!”っていう衝撃が薄くなってしまってることなどが挙げられます
別にこういういろんなジャンルのごった煮はきらいじゃないので見ててとても楽しめましたが、ついていけないとなってしまう人もいるでしょうから見る人を選ぶ作品だとは思います
また、女装した男性とわからないようになるべくミステリアスに犯人を写せばよかったのになあといったところでしょうか
最後のオチもキャリーに似たものを感じますし、このころのブライアン・デ・パルマ作品のあらゆる要素を1つの作品にまとめたと考えればとても満足できる作品でした
最後に、ババアのエロ描写はまだ早すぎると感じた自分でした