シリーズ16作目であり、昭和最後のゴジラである1984年公開のゴジラを鑑賞したのでつらつらと
解説は映画.comから引用
火山の爆発で出現した怪獣ゴジラの大破壊と、それに対する人間の行動を描く。田中友幸の原案に基づき永原秀一が脚色。監督は「さよならジュピター」の橋本幸治、特技監督は「日本海大海戦 海ゆかば」の中野昭慶、撮影は「さよならジュピター」の原一民がそれぞれ担当。
ゴジラ (1984) 予告編 1080p Full HD BD [The Return of ...
点数 66/100
正直がっかりな作品でした。
なんというか無駄なシーンがとても多いと感じてしまって。
今作は1作目以外の昭和シリーズをなかったことにして、子どもたちのヒーローであったゴジラを人類の敵として原点復帰させる作品。…だったはずが、ゴジラがぜんぜん怖くない。もちろんソ連の原子力潜水艦を襲ったり、架空の原発を襲ったり、東京のビル群で暴れたりはするんですけれども全然脅威に見えない。
今までの作品って自衛隊がどれだけ攻撃してもびくともせず、なんとか頑張ってゴジラを追い詰めるっていう展開が多かったのにもかかわらず、アメリカやソ連が最終兵器の核兵器使えばいいじゃんみたいな口きいてるしなんだかなあ。もちろん核兵器は使わないわけなんだけれども。自衛隊の攻撃は、みんな大好きネーミングがださいことでお馴染みのスーパーXぐらいなもんだからな。
ゴジラが恐怖的に見えないのにはもう1つ理由があって、カメラがセルジオ・レオーネばりにゴジラの顔のアップを幾度と無く見せるわけで、当時の特撮とかのせいもあって、ゴジラの顔が全然怖くない。それに加えて特撮もあまり迫力がない。本来、なるべく特撮っぽく見せずに、だけれどもどこかきぐるみっぽさがあるゴジラがよかったのに露骨にアップばっかり撮るもんだから凄く萎えてた。遠目で崩れたビルと炎の中を歩いてるゴジラ。それだけでかっこいいはずなのにもったいない。
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ストーリーとしてはゴジラの持つ本来のテーマの核についてで、非核三原則のくだりとかはすごくよかったけれどもいいところはそれぐらい。
結局序盤からジャーナリスト気取ってるマスコミの牧(田中健)は別にそのままだし、奥村尚子(沢口靖子)はあいかわらずの棒読みだし凄く退屈に感じた。
唯一三田村首相(小林桂樹)の最後のゴジラが三原山に親指立てて沈んでいく場面での涙はグッと来たね。ゴジラのラストとしてはあっさりし過ぎではあると思ったけれども。
まあストーリーの突っ込みどころが今回も満載で、わざわざ核ミサイルの遠隔操作できる工作船が日本にいたっていうのと、それが発射しちゃうあたりがなんともまあ。でも成層圏で核爆発が起こってEMPが起こったところは凄く評価できる。
ビルでのヘリの救出場面での奥村宏(宅麻伸)が、わざわざヘリから降りてくる場面。お前が降りて来なかったら3人いたうちの2人はその場で助けられたんじゃねえの。
その後の崩れたビルを階段で降りて行くところ。もろタワーリング・インフェルノのパクリだなあってレベルだし、消火ホースを伝って降りるところとか2人とも一緒に降りちゃってるし、タイミングよく武田鉄矢通ってるし、緊張感全然ないし、で全く面白くなかったな。特別出演の武田鉄矢のシーンとか絶対いらないし、テンポ悪くなってる
その他にもムッシュかまやつがすごく浮いてたりしたけれどそのへんはカメオ的だから気にしちゃ負け。
音楽は伊福部昭さんのものが使われず、小六禮次郎さんが担当したんだけれども、どこかゲームっぽくRPGっぽいなって思っていたら小六さんはすぎやまこういちさんのお弟子さんだったのね。すごく納得。
自衛隊のマーチはすごく耳に残る音楽でした。
「自衛隊マーチ」 ゴジラ(1984) gozira - YouTube
それにしてもリブート的立ち位置なんだからもっと面白いもの作れたはずなのにもったいない作品だったなあ。
たしかに、現代の自衛隊や、政府の役割、国の外交関係などを踏まえて描いているのは凄く面白いんだけれども、特撮映画としてはがっかりだったかな。
この後のビオランテやデストロイアが良すぎて印象として残らない映画だった。
ではでは